磁性流体は、1960年代の初めに「宇宙空間の無重力状態の中で、宇宙船内部の液体燃料を送るにはどうすればよいか」というNASAのスペースプログラムのなかで開発された液体材料です。 「磁石に反応する液体」という特性を活かして、さまざまな産業用途で活用されています。
粒子径が10.0nm(100A)程度の磁性超微粒子(酸化鉄)が使われています。
粒子表面に界面活性剤を吸着させることで、ベース液体(分散媒)中の粒子は凝集することなく、安定したコロイド溶液(磁性流体)となります。
磁性流体が応用される用途、また使用される環境を考慮し、水、炭化水素系油、エステル系油、フッ素系油などをベース液体(分散媒)として使用しています。
磁性流体は磁界がゼロの時は磁性のない単なる液体ですが、マグネットなど外部から磁界を作用させることで磁化します。しかし、マグネットを遠ざける(外部磁界を取り除く)と、磁性流体の磁化は再び消滅します。このような磁気的性質を「超常磁性」といいます。磁性流体は、残留磁化およびヒステリシスといった特性を持ちません。 また、磁性流体の磁化は、単位体積あたりの磁性流体中に含有される磁性粒子の量に比例し、外部から印加された磁界によって磁化が飽和した値を飽和磁化値と呼びます。